「蛙化現象」の本来の意味と由来、その原因について解説

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蛙化現象(かえるかげんしょう) は、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象を指す心理学用語です。最近では好意を抱いている相手のささいな言動で気持ちが冷めてしまうという意味がSNSを中心に広がりましたが、こちらは本来の意味とは違う意味です。
この記事では、蛙化現象の本来の意味やその由来について解説します。

蛙化現象の起源

「蛙化現象」という言葉は、跡見学園女子大学の藤澤伸介教授が2004年に発表した「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」(『日本心理学会大会発表論文集』p. 1095)という論文で使ったのが起源のようです。
この論文の中で、蛙化現象という言葉は「好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象」という意味で使われており、こちらが本来の意味と言えるでしょう。

蛙化現象の由来

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蛙化現象という言葉の由来は、ドイツのグリム童話『かえるの王さま』であるとされています。この童話では、王女が醜いカエルと出会い、王女はカエルに対して嫌悪感を感じ酷い態度をとっていました。その後、カエルが美しい王子の姿になり、呪いによってカエルの姿になっていたことがわかると、二人は恋に落ち結婚をするというストーリーが描かれています。
蛙化現象とは逆の意味のようなストーリーとなっていますが、この王子様が逆にカエルになった場合を考えて「蛙化現象」と名付けたと思われます。

出典:藤沢伸介『日本心理学会大会発表論文集/女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象』公益社団法人 日本心理学会、2004年、1095頁。

蛙化現象の原因

蛙化現象については複数の原因が考えられるとされており、その中で主な原因について紹介します。

1. 異性や性行為に嫌悪感がある

蛙化現象の原因の一つとして、異性や性行為に対して嫌悪感があることが挙げられます。片思いの時は相手の普段の姿や言動に対して好意を持っていた場合でも、相手と両思いであることを知ると、実際の男女関係を思い浮かべることが多くなり、その結果、相手に対して直接的な嫌悪感を持っていなくても、男女関係への嫌悪感から間接的に相手へ嫌悪感を感じてしまうことがあります。
また、異性や性行為に嫌悪感を持っていると、「相手からの好意=自分をいやらしい目で見ている」と感じてしまい、嫌悪感を感じるようになるケースもあるようです。

2. 自己肯定感が低い

自己肯定感が低いことも蛙化現象の原因の一つです。自分自身が自分の価値を認められていないため、好意を向けられても「自分を深く知ったら幻滅される」と考えてしまったり、相手に対して「自分を好きになる変な人」「からかわれているだけなのでは?」といった疑いの目を持ってしまうなどのケースがあります。

3. 逃げる者を追いかけたい

比較的男性に多い蛙化現象の原因として、「逃げる者を追いかけたい」という願望があります。こういった感情を持っている場合、意中の人と両思いになることでその願望が叶ってしまい、急にそれまでの相手への気持ちも冷めてしまうことがあります。

まとめ

今回は、「蛙化現象」の本来の意味や原因について解説しました。本来の意味の蛙化現象は、原因が自分の内面にある場合が多く、解決するためには自分自身の内面を深く理解する必要があります。
自分の内面を理解するには専門家のカウンセリングを受けることは有効な手段となります。vroom Healthでは、アバターを使ったオンラインカウンセリングを提供しています。カウンセラーは全員心理資格を持った人なので、蛙化現象に悩んでいる方はぜひ利用してみてください。